現場直送と受注生産をつなぎ、「案件別の本当の利益」を出す
1つの案件が、倉庫出荷とメーカー直送と工場直送に分かれる。案件全体の物流費を合算する仕組みはない。営業が見ているのは売上ベースの粗利だけである。3経路を1本に束ねる。
業界に共通する課題
案件別の粗利が締めまで見えない
現場直送・長尺品の特別配送・受注生産が混在し、案件ごとの実際の物流コストが月次締めまで確定しない。「取ったけど儲からなかった案件」が後から判明する。
納期回答が属人的
倉庫在庫・メーカー直送・工場出荷の3経路があり、納期回答は担当者の経験頼み。担当が不在だと答えられない。
案件管理がExcelに閉じる
案件の進捗・搬入予定日が担当者のExcelにあり、物流側と共有されていない。搬入日変更の連絡が遅れて配車が無駄になる。
モデル企業の前提
会社・売上・拠点数は、すべて架空の数字です。
データはどこで切れているか
システムは揃っていますが、データが分断されている状況です。
- 基幹(受注・請求)
- 案件管理Excel(営業担当別)
- 見積システム
- 工場の受注生産計画
- WMS(物流拠点5)
- メーカー直送の手配(メール/FAX)
- 配車システム
- 長尺・重量品の特別便手配
症状:受注と請求は基幹にあり、搬入予定日は営業担当のExcel、配車実費は配車システムにある。メーカー直送分は手配がメールとFAXのため、そもそもデータとして残らない。案件を束ねるキーは基幹の受注番号だけで、現場コードが統一されていないため、1案件の物流費を3経路にまたがって合算できない。
W3 Data Platform 適用シナリオ(想定)
つなぐ → 揃える → 使う の3ステップ。既存システムは入れ替えません。
つなぐ
基幹・WMS・配車システムを接続し、営業担当の案件管理Excelもそのまま取り込みます。メーカー直送の手配データもCSV/API経由で載せられます。
揃える
案件ID・現場コードで名寄せし、受注→引当→出荷(3経路)→配送→請求を1本のオーダーライフサイクルに統合。案件単位で物流費を集約します。
使う
案件別の真の粗利(物流費込み)、3経路を横断した納期回答の自動化、搬入日変更の早期検知と配車の再最適化提案。
営業担当のExcelは、なくす対象ではなく取り込む対象です。システム化されていない業務もそのまま基盤に載るため、システム部門を待たずに営業と現場から始められます。使い慣れた帳票を捨てさせる交渉が要りません。
AIとのやりとり
MCP接続により、AIが統合データを直接参照します。SQLの記述もBIツールの操作も不要で、会話で引き出せます。
受注明細、案件管理、配車実費を案件IDと現場コードで名寄せし、3経路の物流費を案件単位で合算しました。
| 案件 | 得意先 | 売上 | 物流費 | 粗利率 |
|---|---|---|---|---|
| P邸新築(追加工事) | 工務店 R社 | ¥ 4,820,000 | ¥ 682,000 | ▲1.8% |
| Sマンション改修 | ゼネコン T社 | ¥28,400,000 | ¥1,240,000 | +9.4% |
| U商業施設 | ゼネコン V社 | ¥46,100,000 | ¥1,180,000 | +16.2% |
P邸新築(追加工事)が1.8%の赤字です。要因は「搬入日変更3回による配車の再手配(特別便2回・計38万円)」。① 追加工事の見積に搬入回数条件を明記する運用へ変更、② 工務店R社は過去6ヶ月で搬入日変更が平均2.8回(全体平均0.9回)と突出しており、取引条件の見直し協議を推奨します。
※ 画面・数値はイメージです。実際の項目・粒度は接続するシステムとデータ内容により異なります。
揃えたあとのデータの並び
各データの列名・粒度・書式を同じ定義に揃えます。拠点ごとのExcelも、同じ表の中に入ります。
mart.project_pl- 案件コード
project_id - 取引先コード
buyer_id - 現場住所
site_address - 売上金額
sales - 売上原価
cogs - 配送費
freight_cost - 搬入回数
delivery_count - 搬入日変更回数
reschedule_count - 粗利率
margin_rate
担当者ごとのExcel案件表も統一スキーマに載せ、倉庫出荷・メーカー直送・工場直送を案件IDで束ねる。案件単位の「本当の利益」が完了と同時に出ます。
誰が、いつ、何に使うか
定型の集計とアラートは自動で届くため、担当者がダッシュボードを開く必要がありません。
- 朝 8:00営業
「搬入日が変更された案件と、それによる追加コスト見込み」がAIから通知される。
- 昼 11:00受注担当
3経路(倉庫・メーカー直送・工場)を横断した納期回答を即答。担当者不在でも同じ回答が出せる。
- 夕 16:00配車担当
搬入日変更を踏まえた配車の再最適化案を承認。特別便の発生を事前に抑える。
- 案件完了時営業所長
案件の粗利が物流費込みで即座に確定。次の見積に条件として反映できる。
想定効果(仮定に基づく試算イメージ)
記載の数値は代表値・想定値です。実環境(データ量・システム構成・ネットワーク)により変動する可能性があります。費用は対象システムの仕様確認が必要なため、個別にお見積りいたします。
3つの使い方のうち、どれを使うか
3つは排他ではありません。Cだけで始めて、あとからBへ広げることもできます。
W3 WMS × AI照会
弊社WMS(W3 sirius / W3 mimosa)のデータをデータレイクに取り込み、MCP経由でAIが直接参照します。SQLの記述もBIツールの操作教育も要りません。聞けば返ってきます。
データレイク蓄積(データ基盤 格納型)このモデルケースの主軸
他社システムのデータ連携サーバー、基幹DB、ECカートなどをCDC(変更差分取得)で接続し、毎日流れてくるデータをraw/mart 2層に溜め込みます。既存システムは無改修です。溜まったデータを、自然言語の指示で分析・加工できる状態にします。
ETL単体(システム直接連携)併用
データレイクを作らないまま、「抽出→変換→格納」だけのシステム間インターフェースとして使えます。個別IF開発をノーコードのGUI設定に置き換えることで、IF開発費が従来比 1/3〜1/2 になります。ここから始めて、あとからBへ広げることもできます。
本ページは架空のモデルケースです。記載の企業は実在せず、数値・効果は仮定に基づく試算イメージであり、実際の導入実績ではありません。効果は対象業務・データ規模・システム構成により変動します。
記載の数値は代表値・想定値です。実環境(データ量・システム構成・ネットワーク)により変動する可能性があります。費用は対象システムの仕様確認が必要なため、個別にお見積りいたします。