シリアル単位で返品・修理をつなぎ、リバース物流の損益を可視化する
返品、修理、再生、廃棄がそれぞれ別のシステムにある。1台の機器の履歴を通して追う手段がない。売った後にかかっているコストを、製品別に把握する。
業界に共通する課題
シリアル単位で追えない
出荷・返品・修理・再生がシステムに分かれ、1台の機器の履歴を通して追えない。「この個体は何回修理したか」に即答できない。
リバースコストが製品別に出ない
返品送料・検査工数・修理部品費・廃棄費が別々に計上され、「売った後にいくらかかっているか」が製品別に分からない。
不良の再発防止が回らない
修理データが修理センターに閉じ、設計・製造へのフィードバックが手作業のレポートのみ。ロット・製造時期との相関が見えない。
モデル企業の前提
会社・売上・拠点数は、すべて架空の数字です。
データはどこで切れているか
システムは揃っていますが、データが分断されている状況です。
- 基幹(受注・出荷・請求)
- WMS(出荷DC2拠点)
- 製造ロット情報(MES)
- 保証登録データ
- 返品受付(コールセンター)
- 修理センターの管理システム
- 再生品在庫(Excel)
- 廃棄・リサイクル処理
症状:出荷は基幹、修理は修理センターの管理システム、再生品在庫はExcel、製造ロットはMESにある。同じ個体を指すシリアル番号が、系統によって前ゼロの有無とハイフンの位置が異なる。このため1台の履歴を通して追えず、修理費と返品送料を製品別に積み上げる経路もない。
W3 Data Platform 適用シナリオ(想定)
つなぐ → 揃える → 使う の3ステップ。既存システムは入れ替えません。
つなぐ
基幹・WMS・MES(製造ロット)・返品受付・修理センターのシステム・再生品のExcelを接続。シリアル番号の表記差はETLで正規化します。
揃える
シリアル番号をキーに、製造→出荷→販売→返品→修理→再生/廃棄を1本の時系列に統合。各工程の実コストを個体に紐づけます。
使う
製品別のリバースコスト可視化、不良と製造ロット・時期の相関分析、再生品在庫を含む出荷判断、保証期間内外の自動判定。
品質改善と採算改善は、通常は別の部署が別のデータで進めます。シリアル単位の履歴が1本につながると、設計へのフィードバックとリバースコストの削減が同じデータセットから回ります。同じ表を見て議論できるようになります。
AIとのやりとり
MCP接続により、AIが統合データを直接参照します。SQLの記述もBIツールの操作も不要で、会話で引き出せます。
シリアル番号の書式を正規化し、出荷、返品、修理、再生の記録を1本の時系列に統合しました。製造ロットとの相関も算出しています。
| 機種 | 出荷台数 | 返品率 | リバースコスト/台 | 実質粗利率 |
|---|---|---|---|---|
| MDL-4200 | 12,400 | 6.8% | ¥2,840 | +4.1% |
| MDL-3100 | 28,600 | 2.1% | ¥ 780 | +14.8% |
| MDL-5000 | 8,900 | 1.4% | ¥ 520 | +22.4% |
MDL-4200の返品率6.8%が利益を圧迫しています(実質粗利4.1%)。製造ロットと相関を取ると、返品の71%が特定期間(2026年3〜4月製造)に集中し、同期間の特定部材サプライヤー切替と一致しました。① 該当ロットの出荷保留と在庫の事前検査、② 部材の再評価、③ 再生可能な返品在庫420台の販売ルート設定(想定 +1,180万円)を提示します。
※ 画面・数値はイメージです。実際の項目・粒度は接続するシステムとデータ内容により異なります。
揃えたあとのデータの並び
各データの列名・粒度・書式を同じ定義に揃えます。拠点ごとのExcelも、同じ表の中に入ります。
mart.serial_lifecycle- 製造番号(シリアル)
serial_no - 機種
model - 製造ロット
mfg_lot - 出荷日時
shipped_at - 回収日
returned_at - 修理回数
repair_count - 修理費用
repair_cost - ステータス
status - 回収・再生費用
reverse_cost
シリアル番号の表記差(前ゼロ・ハイフン)を正規化し、製造から廃棄までを1本の時系列に。品質改善と採算改善が同じデータセットから同時に回ります。
誰が、いつ、何に使うか
定型の集計とアラートは自動で届くため、担当者がダッシュボードを開く必要がありません。
- 朝 8:30品質保証
「返品が急増した機種と、相関する製造ロット」をAIが検知して通知。設計へのフィードバックが早まる。
- 昼 13:00サポート
シリアル番号から保証期間・修理履歴・過去症状を即座に照会。顧客対応の待ち時間が消える。
- 夕 16:00営業
再生品在庫を含む出荷可能数を確認。新品を出す前に再生品を活用できる。
- 月次事業部長
機種別の実質利益(リバースコスト込み)を確認。「売れているが儲かっていない機種」が見える。
想定効果(仮定に基づく試算イメージ)
記載の数値は代表値・想定値です。実環境(データ量・システム構成・ネットワーク)により変動する可能性があります。費用は対象システムの仕様確認が必要なため、個別にお見積りいたします。
3つの使い方のうち、どれを使うか
3つは排他ではありません。Cだけで始めて、あとからBへ広げることもできます。
W3 WMS × AI照会
弊社WMS(W3 sirius / W3 mimosa)のデータをデータレイクに取り込み、MCP経由でAIが直接参照します。SQLの記述もBIツールの操作教育も要りません。聞けば返ってきます。
データレイク蓄積(データ基盤 格納型)このモデルケースの主軸
他社システムのデータ連携サーバー、基幹DB、ECカートなどをCDC(変更差分取得)で接続し、毎日流れてくるデータをraw/mart 2層に溜め込みます。既存システムは無改修です。溜まったデータを、自然言語の指示で分析・加工できる状態にします。
ETL単体(システム直接連携)
データレイクを作らないまま、「抽出→変換→格納」だけのシステム間インターフェースとして使えます。個別IF開発をノーコードのGUI設定に置き換えることで、IF開発費が従来比 1/3〜1/2 になります。ここから始めて、あとからBへ広げることもできます。
本ページは架空のモデルケースです。記載の企業は実在せず、数値・効果は仮定に基づく試算イメージであり、実際の導入実績ではありません。効果は対象業務・データ規模・システム構成により変動します。
記載の数値は代表値・想定値です。実環境(データ量・システム構成・ネットワーク)により変動する可能性があります。費用は対象システムの仕様確認が必要なため、個別にお見積りいたします。