危険物区分・保管上限・容器を束ね、法令報告と在庫最適化を両立する
危険物の類別と指定数量は、拠点ごとの台帳で管理されている。拠点ごとには正しい。全社を合算した余裕だけが、誰も持っていない。法令報告と在庫最適化を同じデータで回す。
業界に共通する課題
指定数量の余裕が分からない
危険物の類別・指定数量倍数が拠点の台帳(Excel)管理で、全社の保管上限に対する余裕をリアルタイムに把握できない。受注を受けてから慌てて確認している。
容器・ロットの管理が分断
同じ品目でも容器(ドラム/IBC/小分け)ごとに在庫が分かれ、実質的な出荷可能量が読めない。SDSの改訂管理も別ファイル。
法令報告が手集計
危険物取扱状況・毒劇物の帳簿報告を各拠点から集めて手作業で集計。監査対応のたびに担当者が張り付く。
モデル企業の前提
会社・売上・拠点数は、すべて架空の数字です。
データはどこで切れているか
システムは揃っていますが、データが分断されている状況です。
- 自社倉庫WMS(2拠点)
- 委託危険物倉庫(月次報告)
- 基幹(受発注)
- 容器・返却管理
- 危険物台帳(拠点別Excel)
- 毒劇物 帳簿
- SDS管理(別ファイル)
- 消防・行政への報告書
症状:在庫数量はWMSと委託倉庫の月次報告にあり、危険物の類別と指定数量は拠点ごとのExcel台帳にある。両者を結ぶ品目コードの対応表がないため、指定数量倍数は拠点担当者が手計算している。容器容量も品目マスタに持たせていないので、同一品目でもドラムとIBCで数量を換算できない。
W3 Data Platform 適用シナリオ(想定)
つなぐ → 揃える → 使う の3ステップ。既存システムは入れ替えません。
つなぐ
自社WMS・基幹・委託倉庫の報告データ・容器管理を接続。危険物区分マスタ(類別・指定数量・容器容量)を補完マスタとして別途取り込みます。
揃える
品目×容器×拠点の在庫に、類別・指定数量倍数を計算列として付与。全社・拠点別の指定数量倍数を常時算出できる形にします。
使う
保管上限に対する余裕の常時監視とアラート、法令報告帳票の自動生成、受注時の出荷可能量の即答。監査時はデータの出所付きで提示できます。
危険物区分マスタは、WMSに持たせる必要がありません。レイク側で補完してJOINします。WMS本体を改修せずに法令管理の粒度を上げられるため、システム部門に開発案件が発生しません。
AIとのやりとり
MCP接続により、AIが統合データを直接参照します。SQLの記述もBIツールの操作も不要で、会話で引き出せます。
WMSと委託倉庫の在庫に危険物区分マスタを結合し、容器容量から指定数量倍数を換算しました。許可倍数に対する使用率順です。
| 拠点 | 類別 | 現在庫換算 | 許可倍数 | 使用率 |
|---|---|---|---|---|
| 関東危険物倉庫(委託) | 第4類第1石油類 | 412倍 | 450倍 | 91.6% |
| 自社 中部倉庫 | 第4類第1石油類 | 188倍 | 300倍 | 62.7% |
| 自社 関西倉庫 | 第4類第1石油類 | 104倍 | 400倍 | 26.0% |
関東危険物倉庫が許可倍数の91.6%に達しています。3日後に予定されている入荷(38倍相当)を受け入れると上限超過となります。① 入荷分の一部を関西倉庫へ振替(余裕296倍)、② 滞留在庫(90日以上動きなし・47倍相当)の関西移送、の2案を提示します。あわせてSDS改訂から30日以上更新されていない品目が18件あります。
※ 画面・数値はイメージです。実際の項目・粒度は接続するシステムとデータ内容により異なります。
揃えたあとのデータの並び
各データの列名・粒度・書式を同じ定義に揃えます。拠点ごとのExcelも、同じ表の中に入ります。
mart.hazmat_inventory- 品目コード
item_cd - 危険物類別
hazard_class - 容器種別
container_type - 拠点コード
site_id - 数量(リットル)
qty_liter - 指定数量倍数
designated_ratio - 許可上限(倍数)
permit_limit - 更新日時
updated_at
危険物区分マスタ(類別・指定数量・容器容量)を補完マスタとしてJOINし、指定数量倍数を計算列で保持。法令報告帳票がデータから直接出力できます。
誰が、いつ、何に使うか
定型の集計とアラートは自動で届くため、担当者がダッシュボードを開く必要がありません。
- 常時倉庫管理
指定数量倍数が閾値(85%)を超えた拠点をアラート。入荷予定との突合で超過見込みも先に検知。
- 朝 9:00営業
受注前に「この品目を今週何本出荷できるか」を容器別在庫と保管上限の両面から即答できる。
- 月初安全管理
危険物取扱状況・毒劇物帳簿をデータから自動生成。各拠点への依頼と手集計が不要になる。
- 監査時品質保証
在庫推移と数値の出所(取得元・変換定義・スキーマ変更履歴)をセットで提示できる。
想定効果(仮定に基づく試算イメージ)
記載の数値は代表値・想定値です。実環境(データ量・システム構成・ネットワーク)により変動する可能性があります。費用は対象システムの仕様確認が必要なため、個別にお見積りいたします。
3つの使い方のうち、どれを使うか
3つは排他ではありません。Cだけで始めて、あとからBへ広げることもできます。
W3 WMS × AI照会
弊社WMS(W3 sirius / W3 mimosa)のデータをデータレイクに取り込み、MCP経由でAIが直接参照します。SQLの記述もBIツールの操作教育も要りません。聞けば返ってきます。
データレイク蓄積(データ基盤 格納型)このモデルケースの主軸
他社システムのデータ連携サーバー、基幹DB、ECカートなどをCDC(変更差分取得)で接続し、毎日流れてくるデータをraw/mart 2層に溜め込みます。既存システムは無改修です。溜まったデータを、自然言語の指示で分析・加工できる状態にします。
ETL単体(システム直接連携)
データレイクを作らないまま、「抽出→変換→格納」だけのシステム間インターフェースとして使えます。個別IF開発をノーコードのGUI設定に置き換えることで、IF開発費が従来比 1/3〜1/2 になります。ここから始めて、あとからBへ広げることもできます。
本ページは架空のモデルケースです。記載の企業は実在せず、数値・効果は仮定に基づく試算イメージであり、実際の導入実績ではありません。効果は対象業務・データ規模・システム構成により変動します。
記載の数値は代表値・想定値です。実環境(データ量・システム構成・ネットワーク)により変動する可能性があります。費用は対象システムの仕様確認が必要なため、個別にお見積りいたします。