ERPと委託物流をつなぎ、「在庫と物流費の実態」を経営に届ける
生産と販売はERP、物流は委託3PL各社のWMS。全社在庫を把握するのに数日かかる。委託物流費は、請求書の合計額しか手元にない。委託先を切り替えずに、ガバナンスだけを強化する。
業界に共通する課題
ERPと委託先WMSが分断
生産・販売はERP、物流は委託3PL各社のWMS。全社在庫の把握に数日かかり、意思決定のたびに各社への問い合わせが発生する。
委託物流費がブラックボックス
請求書ベースの把握のみで、委託費の内訳・妥当性を検証する材料が手元にない。値上げ要請に対して定量的な反論ができない。
需要予測がベテラン依存
発注・生産計画は経験と勘。担当者が変わると精度が落ち、ノウハウが組織に残らない。
モデル企業の前提
会社・売上・拠点数は、すべて架空の数字です。
データはどこで切れているか
システムは揃っていますが、データが分断されている状況です。
- SAP(生産・販売・会計)
- 需給計画Excel
- 受注データ(国内/輸出)
- 委託3PL X社のWMS
- 委託3PL Y社のWMS
- 委託3PL Z社の月次報告Excel
- TMS(輸配送)
症状:SAPは品目コードで在庫を持ち、3PL各社のWMSは各社独自の商品コードで在庫を持つ。両者を対応づけるマスタが存在しないため、全社在庫は各社の報告値を人手で読み替えて合計している。物流費はさらに切れており、請求書は月単位の合計額のみで、SKUや出荷1行あたりに割り戻す明細がない。
W3 Data Platform 適用シナリオ(想定)
つなぐ → 揃える → 使う の3ステップ。既存システムは入れ替えません。
つなぐ
SAP・委託先3社のWMS・TMSをCDC接続。委託先側の改修は不要で、データ提供のみで開始できます。委託先にお願いするのは「今出しているファイルをそのまま置いてもらう」ことだけ。
揃える
SKU・拠点粒度で標準化し、生産・販売・在庫・物流費を同一粒度のデータセットに統合。3PLごとに違う作業項目名を共通の工程コードへ名寄せします。
使う
全社在庫の即時把握、委託費の内訳検証、需要予測モデルへの学習データ供給とAI異常検知。委託費交渉の客観材料が毎月自動で揃います。
委託先にお願いするのは、データ提供だけです。3PLを切り替える話にならないため、関係を損なわずにガバナンスを強化できます。委託先の選定を見直すかどうかは、数字が揃ってから判断すれば足ります。
AIとのやりとり
MCP接続により、AIが統合データを直接参照します。SQLの記述もBIツールの操作も不要で、会話で引き出せます。
3社のWMS実績と請求データを同一の工程コードへ名寄せし、出荷1行あたりに正規化して比較しました。
| 委託先 | 拠点 | 出荷行数 | 1行あたり物流費 | 保管坪単価 |
|---|---|---|---|---|
| 3PL X社 | 関東DC | 48,200 | ¥312 | ¥5,800 |
| 3PL Y社 | 関西DC | 39,700 | ¥268 | ¥5,200 |
| 3PL Z社 | 九州DC | 21,400 | ¥241 | ¥4,600 |
3PL X社の1行あたり物流費が他社比+29%です。内訳を分解すると差分の大半は「小口出荷の梱包費」。① X社の小口出荷を同梱率改善で削減(想定 月▲180万円)、② 関東の小口分をY社へ一部移管、の2案を提示します。あわせて過剰在庫(max_stock超過)142SKU・欠品リスク38SKUを検出しました。
※ 画面・数値はイメージです。実際の項目・粒度は接続するシステムとデータ内容により異なります。
揃えたあとのデータの並び
各データの列名・粒度・書式を同じ定義に揃えます。拠点ごとのExcelも、同じ表の中に入ります。
mart.inventory_all- 商品コード
sku - 拠点コード
site_id - 委託先コード
partner_id - 数量
qty - 引当済数量
allocated_qty - 保管費
storage_cost - 更新日時
updated_at
SAPの品目コードと3PL各社の商品コードを名寄せし、全社在庫を1本のデータセットに。「今どこに何がいくつあるか」が数日→即時になります。
誰が、いつ、何に使うか
定型の集計とアラートは自動で届くため、担当者がダッシュボードを開く必要がありません。
- 朝 9:00生産管理
「今週の欠品リスクSKUと代替可能な在庫」をAIに照会。委託先3社を横断した実在庫ベースで回答が返る。
- 昼 14:00調達担当
欠品予兆SKUの発注案がAIから提示。承認すると基幹(SAP)へ発注データが自動連携される。
- 夕 16:00物流部長
委託先との月次会議に、同一物差しの物流費比較レポートを持参。「感覚」ではなく数字で改善を要請できる。
- 四半期経営会議
在庫評価・物流費・粗利を同一粒度で突合。過剰在庫の削減と欠品率の改善を同時に議論できる状態になる。
想定効果(仮定に基づく試算イメージ)
記載の数値は代表値・想定値です。実環境(データ量・システム構成・ネットワーク)により変動する可能性があります。費用は対象システムの仕様確認が必要なため、個別にお見積りいたします。
3つの使い方のうち、どれを使うか
3つは排他ではありません。Cだけで始めて、あとからBへ広げることもできます。
W3 WMS × AI照会
弊社WMS(W3 sirius / W3 mimosa)のデータをデータレイクに取り込み、MCP経由でAIが直接参照します。SQLの記述もBIツールの操作教育も要りません。聞けば返ってきます。
データレイク蓄積(データ基盤 格納型)このモデルケースの主軸
他社システムのデータ連携サーバー、基幹DB、ECカートなどをCDC(変更差分取得)で接続し、毎日流れてくるデータをraw/mart 2層に溜め込みます。既存システムは無改修です。溜まったデータを、自然言語の指示で分析・加工できる状態にします。
ETL単体(システム直接連携)
データレイクを作らないまま、「抽出→変換→格納」だけのシステム間インターフェースとして使えます。個別IF開発をノーコードのGUI設定に置き換えることで、IF開発費が従来比 1/3〜1/2 になります。ここから始めて、あとからBへ広げることもできます。
本ページは架空のモデルケースです。記載の企業は実在せず、数値・効果は仮定に基づく試算イメージであり、実際の導入実績ではありません。効果は対象業務・データ規模・システム構成により変動します。
記載の数値は代表値・想定値です。実環境(データ量・システム構成・ネットワーク)により変動する可能性があります。費用は対象システムの仕様確認が必要なため、個別にお見積りいたします。