マルチWMSを束ね、荷主別採算を「月次のどんぶり」から「日次」へ
案件ごとにWMSを入れた結果、拠点と荷主の数だけデータの形が増えた。全社の数字は、誰も見ていない。既存WMSを1本も入れ替えずに、同一KPIへ揃えて日次P/Lを回す。
業界に共通する課題
WMSが拠点・荷主ごとにバラバラ
案件ごとに導入したWMSが分断し、全社のデータが誰にも見えない。全拠点の入出荷実績を集めるだけで数日かかる。
採算が締め後にしか分からない
荷主別・工程別の損益は月次締め後に判明。赤字案件への手当てが常に後手になり、気づいた時には数ヶ月分の赤字が積み上がっている。
拠点の生産性を比較できない
KPI定義が拠点ごとに異なり、同じ物差しでの評価・改善ができない。「あの拠点は特殊だから」で議論が終わってしまう。
モデル企業の前提
会社・売上・拠点数は、すべて架空の数字です。
データはどこで切れているか
システムは揃っていますが、データが分断されている状況です。
- WMS-A(東日本/A社パッケージ)
- WMS-B(西日本/B社クラウド)
- W3 sirius(中部・自社運営)
- 勤怠システム
- 荷主別の日次P/L
- 工程別の作業原価
- 拠点別の人時生産性
- 委託費の妥当性
症状:WMS-Aは荷主コード、WMS-Bは取引先コードで実績を持ち、勤怠システムは社員コードで工数を持っている。3者を突き合わせる共通のキーがないため、「どの荷主の、どの工程に、何人時かかったか」を機械的に結べない。作業原価は月末に人件費総額を物量で按分するしかなく、荷主別の粗利は按分値として出てくる。
W3 Data Platform 適用シナリオ(想定)
つなぐ → 揃える → 使う の3ステップ。既存システムは入れ替えません。
つなぐ
3種のWMS・勤怠・基幹をCDC(変更差分取得)で接続。既存システムは無改修、1拠点あたり約1週間で接続。稼働中の現場オペレーションには一切触りません。
揃える
raw / mart 2層に蓄積し、入出荷・在庫・工数を同一KPI定義(標準化モデル)へ自動変換。荷主コード・拠点コードの名寄せルールをETLのTransformで定義します。
使う
荷主×工程×拠点の日次P/L、拠点別生産性の横比較、AIによる遅延・採算悪化の例外アラート。「聞くだけ」で分析が返るためレポート作成工数が消えます。
全拠点を一度につなぐ必要はありません。1拠点から始めて、稼働中の現場に影響を与えずに広げられます。将来WMSを入れ替えるときも、データ基盤と分析資産は残ります。
AIとのやりとり
MCP接続により、AIが統合データを直接参照します。SQLの記述もBIツールの操作も不要で、会話で引き出せます。
荷主コードと拠点コードを名寄せしたうえで、作業実績と工数を工程単位で結合しました。粗利率の低い順に4件です。
| 荷主 | 拠点 | 売上(日次) | 作業原価 | 粗利率 |
|---|---|---|---|---|
| 荷主C | 東日本DC | ¥1,240,000 | ¥1,310,000 | ▲5.6% |
| 荷主K | 西日本DC | ¥ 860,000 | ¥ 842,000 | +2.1% |
| 荷主B | 中部DC | ¥2,105,000 | ¥1,798,000 | +14.6% |
| 荷主A | 東日本DC | ¥3,420,000 | ¥2,780,000 | +18.7% |
荷主Cの東日本DCが入荷工程で赤字です。要因は「バラ入荷比率が先月比+22%に増加したのに、契約単価がケース基準のまま」。① 入荷工程の単価改定交渉(想定 月+58万円)、② 中部DCへの物量移管(同工程の人時生産性が1.27倍)の2案を提示します。
※ 画面・数値はイメージです。実際の項目・粒度は接続するシステムとデータ内容により異なります。
揃えたあとのデータの並び
各データの列名・粒度・書式を同じ定義に揃えます。拠点ごとのExcelも、同じ表の中に入ります。
mart.work_productivity- 拠点コード
site_id - 荷主コード
client_id - 工程コード
process - 作業人数
headcount - 作業時間(人時)
work_hours - 処理行数
lines - 作業原価
cost - 更新日時
updated_at
拠点ごとにバラバラだった列名・粒度・書式が同じ定義で並ぶ。カタログで「どの拠点の何のデータか」を誰でも一覧でき、属人集計そのものをBPRの対象にできます。
誰が、いつ、何に使うか
定型の集計とアラートは自動で届くため、担当者がダッシュボードを開く必要がありません。
- 朝 8:00センター長
AIから「本日の物量は予測比+18%、13時以降にピッキング能力が不足する見込み」と能動アラート。応援8名の手配案が影響見込み付きで届く。
- 昼 13:00営業担当
荷主との月次面談前に「荷主Cの工程別収支と単価改定シミュレーション」を会話で取得。資料作成ゼロで交渉材料が揃う。
- 夕 17:30拠点責任者
ロケーション移動指示(出荷頻度×位置から算出)をワンクリック承認。指示CSVがWMS取込IF経由で反映され、翌朝の現場は通常作業として移動を実施。
- 月初経営会議
締めを待たずに前月の荷主別・拠点別P/Lが確定済み。会議は「数字合わせ」ではなく打ち手の議論から始まる。
想定効果(仮定に基づく試算イメージ)
記載の数値は代表値・想定値です。実環境(データ量・システム構成・ネットワーク)により変動する可能性があります。費用は対象システムの仕様確認が必要なため、個別にお見積りいたします。
3つの使い方のうち、どれを使うか
3つは排他ではありません。Cだけで始めて、あとからBへ広げることもできます。
W3 WMS × AI照会併用
弊社WMS(W3 sirius / W3 mimosa)のデータをデータレイクに取り込み、MCP経由でAIが直接参照します。SQLの記述もBIツールの操作教育も要りません。聞けば返ってきます。
データレイク蓄積(データ基盤 格納型)このモデルケースの主軸
他社システムのデータ連携サーバー、基幹DB、ECカートなどをCDC(変更差分取得)で接続し、毎日流れてくるデータをraw/mart 2層に溜め込みます。既存システムは無改修です。溜まったデータを、自然言語の指示で分析・加工できる状態にします。
ETL単体(システム直接連携)
データレイクを作らないまま、「抽出→変換→格納」だけのシステム間インターフェースとして使えます。個別IF開発をノーコードのGUI設定に置き換えることで、IF開発費が従来比 1/3〜1/2 になります。ここから始めて、あとからBへ広げることもできます。
本ページは架空のモデルケースです。記載の企業は実在せず、数値・効果は仮定に基づく試算イメージであり、実際の導入実績ではありません。効果は対象業務・データ規模・システム構成により変動します。
記載の数値は代表値・想定値です。実環境(データ量・システム構成・ネットワーク)により変動する可能性があります。費用は対象システムの仕様確認が必要なため、個別にお見積りいたします。