W3 sirius ペーパーレスピッキング

WMS「W3 sirius」で挑むピッキング改革。紙とデジタルを融合させた次世代の物流DX

株式会社ファインプラス ロゴ
企業名  株式会社ファインプラス
業種  3PL、物流・倉庫業
導入製品  WMS「W3 sirius」、ペーパーレスピッキング
URL  https://fineplus.biz/
株式会社ファインプラス ロゴ
企業名  株式会社ファインプラス
業種  3PL、物流・倉庫業
導入製品  WMS「W3 sirius」、ペーパーレスピッキング
URL  https://fineplus.biz/

1. 導入企業の概要

1万坪の倉庫ネットワークと、成長を加速させるIT投資

株式会社ファインプラスの成田物流センター外観

千葉県成田市を拠点に、大規模な3PL(サードパーティ・ロジスティクス)事業を展開する株式会社ファインプラス様。成田に約9,500坪、印西に約2,600坪、さらに外部倉庫を含めると膨大な総坪数を誇る拠点を有し、アパレルをメインに約15社の荷主様の物流を一手に担っていらっしゃいます。1日あたりの出荷オーダーは2,000〜3,000件にのぼり、物量の波に合わせた柔軟なリソース管理と確実な在庫管理品質が、多くの荷主様から選ばれ続ける理由です。

同社の最大の強みは、創業者が元システムエンジニアであるという背景に裏打ちされた、強固なIT戦略のDNAにあります。システム投資に積極的で、経営陣の迅速な意思決定によって新しい挑戦を続けてこられました。「荷主様の資産である在庫を1点1点正確に管理し、リアルタイムに報告する」そのためにWMSによる一元管理は不可欠であるという思想が、同社の成長の根底に流れています。

2. 導入前の課題

事業拡大に伴う運用のズレと「紙リスト」運用の限界

同社の事業は順調に拡大を続け、スタート時に1,000坪ほどだった倉庫面積は9,500坪を超える規模となっていました。荷主様の数が増えるにつれ、取り扱う品種、SKU、カテゴリーは爆発的に多様化していきましたが、この嬉しい成長は新たな課題を連れてきました。当初のシステム設計と、拡大する現場の実態との間にギャップが広がり始めてしまったのです。

代表取締役の横田様は、当時を次のように振り返ります。

株式会社ファインプラス 代表取締役 横田様

「新しい商品やカテゴリがどんどん増えて、当初の設計では対応しきれない場面が出てきました。スケールアップに伴う課題は、常に抱えていました」(横田様)

なかでも深刻だったのが、ピッキング作業における非効率さでした。当時のオペレーションはすべて紙のリストに依存していました。毎朝、出荷指示データを印刷し、オーダーごとに仕分けてピッキング担当者に手渡す枚数は、1日約600枚に達していました。印刷だけでも相当な時間を要した上に、リストを並び替えて最適な動線を組むなどの事前準備を含めると、毎日1時間近くがピッキングを始める前に消費されていたのです。

さらに、紙のリストを手に広大な倉庫内を歩き回るピッキング作業そのものにも無駄が多く存在していました。1枚のリストに複数のアイテムが並び、目視で確認しながら行うピッキングではヒューマンエラーを完全に防ぐことが難しく、検品工程でミスが発覚することもありました。

物流事業部 部長の吉田様は、当時の状況を次のように語ります。

インタビューに答える株式会社ファインプラスの横田様と吉田様

「2万〜3万件にのぼる膨大な出荷数のうち、検品時に発覚するピッキングミスはわずか20件ほど。比率にすれば0.1%未満という極めて高い精度ですが、現場にとっては毎日20件もの誤出荷リスクを孕んでいる状態であり、繁忙期にはその数もさらに増加しがちでした」(吉田様)

全体から見れば小さな割合かもしれませんが、荷主様からの信頼に直結する誤出荷は、1件たりとも許されません。

3. 選定の決め手

「現場での使いやすさ」と、解像度の高い提案力

新たな開発の検討において、最も重視したのは「現場での使いやすさ」でした。パートスタッフ様や派遣スタッフ様も多い倉庫現場において、直感的に操作できるかどうかが重要なポイントだったのです。ダイアログと一緒に画面設計を詰め、「とにかくシンプルに、直感的に使えること」を優先して仕様を決定しました。

また、横田様はダイアログの「提案力」とフットワークの軽さを高く評価してくださっています。

「私たちが『こういう課題がある』と伝えると、ただ言われた通りに作るのではなく、リスクを徹底的に洗い出して、『このパターンだとこうなりますよ』と具体的に掘り下げてくれる。曖昧な要望であっても、非常に解像度の高い提案に変えて返してくれました」(横田様)

さらに、プリンターの切り替えを実施しデバイスの導入コストを大幅に抑制するなど、ハードウェアの選定からシステム構成までをトータルでサポートするパートナーシップが大きな決め手となりました。

4. 導入プロセス

二人三脚で進めた、「0から1」を創る開発

開発にあたっては、W3 siriusの標準パッケージにないペーパーレスピッキングの機能を実装するため、文字通り「0から1を作る」プロジェクトとなりました。要件定義から実際の稼働まで、費やした期間は約1年。その間、ダイアログのプロジェクトメンバーは何度も成田の現場へと足を運びました。

「当時は担当者が結構な頻度で現地に来てくれました。実際の作業を見ながら、『ここはこうした方がいい』『この動線だとこうなる』という議論を密に繰り返すことができたので、非常にコミュニケーションが取りやすかったです」(横田様)

複雑な引き当て仕様の変更や荷主様ごとの運用ルールの違いなど、新機能を組み込むことで既存の仕組みに思わぬ影響が出てトラブルを経験することもありましたが、そのたびにプロジェクトメンバーが迅速に対応し、現場の不安を取り除いていきました。

マニュアルやシステムの仕様は徹底してシンプルさを追求しました。物流事業部 部長の吉田様は、現場への展開についてこう語ります。

ペーパーレスピッキングの画面を確認する倉庫現場のスタッフ

「パッケージシステム自体が非常に使いやすく、インターフェースも見やすいため導入が本当に楽でした。新しく入ったパートスタッフでもわずか1日足らずで操作をマスターできるようになり、数回の勉強会だけで現場への展開がスムーズに完了しました」(吉田様)

5. 導入後の効果

準備時間の削減、作業時間半減、複数運用の最適化

準備時間の削減と用紙の大幅カット

導入の効果は、すぐに劇的な数字となって現れました。まず、毎日600枚印刷されていた紙の運用を一部ペーパーレス化したことで、朝の準備に費やしていた1時間が削減され、始業と同時に全員がスムーズにピッキング作業に入れるようになりました。紙の印刷コストやインク代だけでなく、非生産的な時間が現場から大きく減少し、現在は毎日約600枚もの用紙削減を達成しています。

ピッキングの作業時間半減と精度の向上

ペーパーレスピッキングを導入した作業における時間は「約半分(50%)」にまで短縮されました。作業者は画面の指示に従い、バーコードをスキャンして確実に作業を進めます。また、JANコードの下4桁を大きく表示するという現場発の優れたアイデアをシステムに反映したことで、バーコード照合と視認のダブルチェックが機能し、該当作業におけるピッキングミスは2〜3割減少しました。

W3 siriusのハンディターミナル出荷検品画面

「印刷や準備の作業時間が毎日約1時間短縮でき、ペーパーレス化したピッキングにかかる時間自体もこれまでの半分くらいになりました」(吉田様)

紙とペーパーレスの最適な並行運用

ファインプラス様では、紙のピッキングを完全に無くしたわけではなく、現在も「紙のピッキング」と「ペーパーレスピッキング」を並行して実施しています。ミスが起きにくく効率化しやすい単品のオーダーを中心にペーパーレス化を推進し、その他の複雑なオーダーには従来の紙運用を残すなど、現場の実態に合わせた最適な組み合わせ(並行運用)によって全体の生産性を底上げしています。

この物流DXの成功は、同社に対する荷主様からの信頼をさらに高める結果となりました。

インタビューに答える株式会社ファインプラスの横田様と吉田様

「いろんな3PL業者に荷物を預けている荷主さんからは、『システム改修など改善に積極的に取り組む会社だ』という評価をいただいています」(横田様)

【ペーパーレスピッキング導入前後の定量効果(ペーパーレス移行部分)】

項目 導入前(紙運用) 導入後(ペーパーレス並行運用)
 印刷枚数(削減効果)  600枚 / 日  毎日約600枚分の用紙削減
 準備時間  1時間 / 日(印刷・並び替え)  移行部分の準備時間がほぼゼロに
 対象のピック作業時間  動線に無駄が多く長時間化  約半分(50%)に短縮
 対象のピッキングミス  繁忙期を中心に発生リスクあり  2〜3割減少

6. 今後の展望

AMR連携とデータ活用で「物流DX」を推進

ペーパーレスピッキングの並行導入による成功は、同社にとってのゴールではなく、「物流DX」への入り口です。

今後も倉庫の坪数はさらに拡大する見込みがあり、人手だけに頼る効率化にはいずれ物理的な限界が訪れます。その限界を突破するための確かな打開策として、同社はAMR(自律走行搬送ロボット)との高度な連携を具体的に視野に入れていらっしゃいます。紙のピッキングが残るエリアも含め、より最適な自動化の形を模索されています。

倉庫内を自律走行するAMR(自律走行搬送ロボット)

「AMRとの連携は、今後確実に進めていきたい重要テーマです。坪数が広がり続ける中で、人の動きだけに頼るのには限界があります。ロボットを組み合わせることで、ピッキングミスをさらにゼロに近づけたいという強い思いもあります」(横田様)

さらにその先に見据えているのが、長年の運用でWMSに蓄積された業務データの活用です。この貴重なアセットを高度なAI分析に掛け合わせることで、現場のさらなる効率化と高度化、現場の活性化へと昇華させていきたいと考えていらっしゃいます。

「単なる業務効率化にとどまらず、蓄積されたデータをフルに活用した分析を行っていきたいです。AIなども積極的に取り入れ、現場をさらに次の次元へと進化させていきます」(横田様)

7. まとめ

「柔軟性」「提案力」「スピード」が揃ったパートナー

最後に、同じく3PLや複数拠点で倉庫業を展開する企業へ「W3 sirius」を勧めるとしたらというポイントについて、横田様はこう語りました。

今後の展望を語る株式会社ファインプラス 代表取締役 横田様

「カスタマイズの柔軟性も高いので、導入後も現場の状況に合わせて柔軟に対応してもらっています。同業他社にW3 siriusを勧めるなら、間違いなくこの扱いやすさと柔軟性ですね」(横田様)

また、日々の柔軟な対応力と開発のスピード感にも信頼を寄せてくださっています。簡単なカスタマイズであれば依頼から1〜2週間で対応が完了することもあり、曖昧な要望を解像度の高い提案に変えてくれるダイアログは、単なるシステムベンダーにとどまらないパートナーとなっています。

紙とペーパーレスの並行運用によって現場の最適化を推進したファインプラス様。現場の声を反映しながら磨き上げてきたクラウドWMSと共に、物流の未来を鮮やかに切り拓く挑戦はこれからも続いていきます。

【お話を伺った皆さま】

株式会社ファインプラス 代表取締役 横田様と物流事業部 部長 吉田様

株式会社ファインプラス

(左)代表取締役 横田様

(右)物流事業部 部長 吉田様

<物流DX・WMS導入をご検討の企業様へ>

ファインプラス様のように、紙運用とペーパーレスを併用しながら現場に定着させるピッキング改革や、標準パッケージにない機能の作り込みをお考えなら、ぜひダイアログにご相談ください。