ロット・期限・温度記録までつなぎ、GDP対応の説明責任を果たす
ロット、使用期限、温度記録が拠点とシステムに分かれている。回収指示が来ると、4拠点への問い合わせが始まる。その間も出荷は止まらない。品質記録と在庫を1本の時系列に統合する。
業界に共通する課題
回収対応に時間がかかる
メーカーからの回収指示に対し、該当ロットの入出荷先を各拠点へ問い合わせて集計。数時間〜数日かかり、その間も出荷は続いている。
温度記録が別管理
保冷・冷凍品の温度データが庫内センサーやデータロガーに閉じ、在庫・出荷データと突合できない。逸脱時の影響範囲が特定できない。
期限管理が拠点判断
使用期限の出荷可否判断が拠点ごとの運用に依存。同じ残日数の在庫が、拠点によって出荷されたり止められたりする。
モデル企業の前提
会社・売上・拠点数は、すべて架空の数字です。
データはどこで切れているか
システムは揃っていますが、データが分断されている状況です。
- WMS(センター4拠点)
- 支店在庫(Excel管理)
- 基幹(受発注・請求)
- 返品・回収処理
- 温度センサー/データロガー
- 入荷検品記録(紙・PDF)
- ロット台帳(拠点別)
- 逸脱報告書
症状:出荷実績はWMS、支店在庫はExcel、温度記録はセンサーとデータロガーに分かれている。ロット番号は系統ごとに桁数と前ゼロの扱いが違い、温度データは時刻しか持たないため在庫とロットに紐づかない。結果として「そのロットが逸脱時にどの庫内にあったか」を突き合わせる経路が存在しない。
W3 Data Platform 適用シナリオ(想定)
つなぐ → 揃える → 使う の3ステップ。既存システムは入れ替えません。
つなぐ
WMS・基幹・支店のExcel在庫表・温度センサーのログを接続。センサーデータもCSV/API経由で同じ基盤に取り込みます。
揃える
ロット番号・使用期限・保管温度帯を含む標準化モデルへ変換し、入荷→保管→出荷→納品先を1本の時系列に。温度記録を在庫と同じ時間軸に載せます。
使う
ロット遡り照会の即答、期限別在庫の一元管理、温度逸脱時の影響ロット即時特定、出荷可否ルールの全拠点統一。
温度と検品の記録を、在庫と出荷と同じ時間軸に載せます。これにより「いつ、どのロットが、どの条件下にあったか」をあとから遡れます。監査と回収対応の説明責任が、担当者の記憶ではなくデータで担保されます。
AIとのやりとり
MCP接続により、AIが統合データを直接参照します。SQLの記述もBIツールの操作も不要で、会話で引き出せます。
ロット番号の書式を正規化し、出荷実績と温度記録を同一の時間軸で結合しました。該当ロットの入荷から納品までを追跡しています。
| 納品先 | 拠点 | 出荷日 | 数量 | 保管中の温度逸脱 |
|---|---|---|---|---|
| P総合病院 | 関東C | 2026-06-18 | 120 | 逸脱あり(6/15 2.4h) |
| Q医院 | 関東C | 2026-06-22 | 20 | 逸脱あり(6/15 2.4h) |
| R調剤薬局 | 中部C | 2026-06-25 | 40 | なし |
該当ロットは3件・180個が出荷済み、うち関東センター経由の140個は6/15に温度逸脱(規定範囲外 2.4時間)を経験しています。① 関東C経由の2施設へ優先連絡(連絡文面案を生成済み)、② 中部C分は逸脱なしのため通常対応、③ 未出荷の在庫60個は出荷保留、を提示します。承認すればWMSへ出荷保留フラグを書き戻します。
※ 画面・数値はイメージです。実際の項目・粒度は接続するシステムとデータ内容により異なります。
揃えたあとのデータの並び
各データの列名・粒度・書式を同じ定義に揃えます。拠点ごとのExcelも、同じ表の中に入ります。
mart.lot_traceability- ロット番号
lot_no - 商品コード
sku - 拠点コード
site_id - 保管ゾーン
zone_id - 使用期限
expiry_date - 出荷先
shipped_to - 出荷日時
shipped_at - 温度逸脱の有無
temp_excursion - 数量
qty
ロット・期限・保管ゾーン・温度記録を1本に統合。「どのロットが、いつ、どの温度環境にあり、どこへ出たか」を1クエリで遡れます。
誰が、いつ、何に使うか
定型の集計とアラートは自動で届くため、担当者がダッシュボードを開く必要がありません。
- 常時品質保証
温度逸脱を検知した瞬間に、その時間帯に該当ゾーンにあったロット一覧がアラートで届く。
- 朝 8:30在庫管理
「期限60日以内の在庫と、出荷可否判断が必要なロット」を全拠点横断で確認。
- 随時お客様窓口
医療機関からのロット照会に即答(従来は数時間〜数日)。信頼性が営業力になる。
- 監査時薬事担当
ロット単位の履歴とデータの出所(取得元・変換定義・変更履歴)をセットで提示できる。
想定効果(仮定に基づく試算イメージ)
記載の数値は代表値・想定値です。実環境(データ量・システム構成・ネットワーク)により変動する可能性があります。費用は対象システムの仕様確認が必要なため、個別にお見積りいたします。
3つの使い方のうち、どれを使うか
3つは排他ではありません。Cだけで始めて、あとからBへ広げることもできます。
W3 WMS × AI照会
弊社WMS(W3 sirius / W3 mimosa)のデータをデータレイクに取り込み、MCP経由でAIが直接参照します。SQLの記述もBIツールの操作教育も要りません。聞けば返ってきます。
データレイク蓄積(データ基盤 格納型)このモデルケースの主軸
他社システムのデータ連携サーバー、基幹DB、ECカートなどをCDC(変更差分取得)で接続し、毎日流れてくるデータをraw/mart 2層に溜め込みます。既存システムは無改修です。溜まったデータを、自然言語の指示で分析・加工できる状態にします。
ETL単体(システム直接連携)
データレイクを作らないまま、「抽出→変換→格納」だけのシステム間インターフェースとして使えます。個別IF開発をノーコードのGUI設定に置き換えることで、IF開発費が従来比 1/3〜1/2 になります。ここから始めて、あとからBへ広げることもできます。
本ページは架空のモデルケースです。記載の企業は実在せず、数値・効果は仮定に基づく試算イメージであり、実際の導入実績ではありません。効果は対象業務・データ規模・システム構成により変動します。
記載の数値は代表値・想定値です。実環境(データ量・システム構成・ネットワーク)により変動する可能性があります。費用は対象システムの仕様確認が必要なため、個別にお見積りいたします。